あさき/蛍
坂を登り 開く広々と
登上坡頂 眼前豁然開闊
穂波が揺れて 猶予う
穗浪搖曳 流連不去
金色の押し黙る
金色默然無聲
人が影 置き去りに 手招く
人將影子拋在身後 招手
遮った川は深く
橫亙眼前的河流幽深
水分りの指先抜け
從分水嶺的指尖穿過
溶ける
溶解
夢からさめて 並み居る川門
從夢中醒來 河門成列並立
ひとつ選び 扉めくると 砂に崩れた
選中一道 翻開門扉 卻崩作沙塵
七彩光り 枯れ木に刺さり燃えた
七彩光輝 刺入枯木好似燃燒
彷徨う水鶏 群になり岨に飛ぶ
徬徨的秧雞結成群 飛向險峻山崖
辿り着いた 影は瞬く光を抱く
終於到達 身影擁抱轉瞬的光輝
漣は稲穂 背押されて森に消えた
漣漪如稻穗 被推著脊背 消失在森林裡
彼方に光 見え隠れ
彼方的光 若隱若現
暗闇で探す足跡 照らすものに集う
黑暗中尋覓的足跡 聚向發光之物
小さく求めあい
微小地相互尋求
潦 歪んでは細濁り
地面積水扭曲著 泛起細細渾濁
絶え間無く
永無止盡
ああ 今さら 昇る光り見て胸を裂く
啊啊 事到如今 升起的光亮撕裂胸口
小さな影と 背負うもの 噤み行く
小小的身影同 所負之物 噤口離去
歪み裂ける虹と 隠沼落ちた夢と 冷光
扭曲綻裂的虹 墜入隱沼的夢 還有冷光
掠めて遠く!
轉瞬遠去!
ひらひらと光重なって架け橋になる
翩翩光點層層相疊 化作橋梁
流れ深き森避けて
避開水流幽深的森林
水に影短くして在る それぞれの夜明けを待つ
縮短映在水中的影子 守候各自的黎明
ひとつ増え ひとつ消え
一明 一滅
誰が為に行き 誰が為に渡す重きか
為誰而去 又為誰遞去這份沉重
七彩に問う 身を焦がす
向七彩發問 灼燒自身
橋を渡る人々に叫ぶが返答無く
朝過橋的人們呼喊卻無人回應
手招きして溶けた
揮手便消溶
坂を登る その先に
登上山坡 在那前方
穂波が光っている
穗浪正閃著光
今も 変わらず 今も
如今仍 從未改變 如今仍
増えて 消えて 光っている
忽明 忽滅 閃爍著光輝