あさき/つばめ
涙は今もこぼれているが
泪水如今依旧盈眶
私は泣いてはいない
我却没有哭泣
私は泣いてはいけない
我也不能哭泣
雲が揺れる
残云摇曳
色数多 溢れて川明り
河川鳞波流光溢彩
並び止まる
停驻
指先の淡くありたる音
指尖上遗留的淡淡声响
影の増すは
残影叠加
旋回し果てより来てすれ違う
翾翔过后的擦肩而过
残心と
连同残心
見つめあって
相互凝视
見上げて礼のかかとに告げ
向优雅的后尘仰望呼喊
せせらぎと消えていく
与流淌小溪同逝
連れ添い 日も忘れ 雲に辿る
相偎相依 忘却时日 入云深处
帰し人想う風
归人思风
ああ さらわれそうになる
呜呼 幸福时光短暂即逝
あと少しだけ ねえ
再稍作逗留吧
このままいさせておくれよ
如此这般便好
飛んでいく 光の点滅が ほら
振翅而去的朦胧光影 看吧
折り重なって 道になる
层层叠叠交汇成路
絶えることなく
永不断绝
いつまでも いつまでも
无论何时 直到永远
澄み切って落ちる星の雅声
迅疾闪落星之天籁
みじろぐこともなく 遍くものに問で笑う
片刻不歇 笑声盈满人间
遠きより 泰然で
自远方 泰然自若
近きほど 置き去りに
及近处 置之身后
風は立つ
扬起清风
吹いては結ぶ
微风拂过重峦迭巘
稜線の見目形 確かに
才以确信 山棱风貌
道をしへ断崖に 郷里並べ
迤逦断崖并为故里
ふくらとなり震える
大气磅礴震撼大地
ああ 然は然りながら
呜呼 即虽如此
ねえ 零れてしまいそうさ
哀哉 若即若离
強がりの指 増すばかり
却更逞强
背を伸ばし 影は空の陽に憩う
展翅翱翔 其影于日光下恬息
道に標は在るか
前路是否终途
そこに止まり木の縁の在るか
驻留是否钟情此树
おやみ咲きぬ空 結ぶの遺した
花开初歇中 羁绊残存
時として長く 細れに延ばせ問いたる
偶留蜿蜒波折的疑问
確かなもの
也是真实之物
縺れた路地の間を雛が翔けていく
雏鸟在纵横交错的小巷间滑翔
ああ やにわに
呜呼 猛然回旋
ああ ふわりと
呜呼 飘飘然然
ねえ 音も無く澄んで溶けて
哀哉 声如细丝
消えていく
遂无声息
音も無く
万籁俱寂
時に鳴き
时而鸣啼
一天を射すもの
射入漫天之物
したたかに風雪に耐え
风雨毫不受阻
頽れるものを従えていく
追随依赖之物
寂しげに
坠入万籁俱静
そのまま せがみ 相求め合う
便如此 缠绵不休 相互寻求
そう 見下ろして街 さざれ 飛翔に疲れ
是啊 俯瞰小街 如此渺小 却疲于飞翔
目前の雲に隠れて 声を上げて叫んでいる
隐匿于眼前白云 以高亢之声啼鸣
遥かなり土煙
遥远的飞尘
蛻の殻の隠し図る
脱壳之中自有深意
時に引いては返す波のようさ
时光流转如同水波回荡
澄み切って行き交う羽の遺した
疾飞似箭相与交会遗落之羽
日の言葉は便り
送来朝日细语
それは
那便是
それぞれの空を泳ぐ
在天空中翻腾着
本当に 小さな音
真正 微小的声音